飯豊連峰 草履塚(会山行 冬山山行)
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GPSLOG | 御沢キャンプ場を目指す | 飯豊鉱泉 | 一瞬の陽の光 | 疣岩山からの稜線を窺う | 三国小屋までもう少し |
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風が強くなってきた。 | 剣ヶ峰に少しブロッケン | 三国小屋 | 切合小屋に着いた | 酷い顔 | 松ノ木尾根を下る |
参加者
CL JEφDAEさん
SL JIφHNCさん
JEφPJY さん
石井さん
坂井さん
JJφLTKさん
JJφLTQ
送り隊
JGφOPLさん
JIφQLOさん
迎え隊
JIφOIIさん
JFφGZFさん
入山地域 川入〜三国小屋〜本山方向〜往路下山
入山期間 2006年1月1日〜4日
登山目的 平成17年度下越山岳会冬山山行
天 候 1月1日 −10.2℃〜−0.7℃ 最大風速 北 3.3m 晴れ一時曇り
2日 −8.5℃ 〜−0.9℃ 最大風速 南南西 4.6m 曇り後雪
3日 −6.5℃ 〜−0.6℃ 最大風速 西南西 17.5m 雪(夜は大雪)
4日 −3.9℃ 〜−1.1℃ 最大風速 西北西 15.3m 雪ふぶきを伴う
以上会津若松
装備 厳冬期冬山テント泊・避難小屋泊
ピッケル・アイゼン・スノーシュー
GPSデータ
今回、LOGの間隔の設定を低〜最低に設定する事を失念しており、入山当初のデータは上書きされるという重大なミスを犯してしまった。何事もなかったが、これでは、トラックバック機能を活用できない。軌跡LOGの設定に関し研究すべき点が現場で明らかになってしまった。
輸送計画
1月1日
使用車輌
石井さん所有車両 OPLさん所有車輌
OPLさん、QLOさんが送り隊としてご協力いただき、順次参加者を拾い2台に分乗した参加者を除雪終了点までお送りいただき、石井さん所有車車輌を佐久間さんが新発田まで回送頂いた。
1月4日
使用車輌 石井氏所有車両 OIIさん所有車両
OIIさんに所有車のご提供しお願いして、石井氏の車両はGZFさんに運転していただき、川入集落迄迎えに来て頂いた。新発田帰着後は順次参加者宅を廻りお送り頂いた。なお、GZFさんの車両はOPLさん宅に置かせていただき帰りにGZFさんは自車を回収した。
概略
下越山岳会 平成17年度冬山山行が、平成18年1月1日〜同4日までの日程で行われた。11月6日に荷揚をおこない、11月12日〜13日に予備山行を実施して本番に備えた。CL・SLは、昨年の夏に入会したての私が参加を希望した事で多分、余分なプレッシャーと心配をおかけしたのではないだろうか。11月の予備山行の際に、三国小屋上部、種蒔山まではCLより細かな、ポイント・ルートの指示がありまた、強風と寒さ対策について指示を頂いた。その後も、トレーニング山行として、二王子、焼峰を会として実施したが、焼峰山行については、私は都合により欠席。前日に五頭山にトレーニング山行を行った。その後も二王子へOIIさんの参加を得てLTKとビーコンテスト山行を行った。いくら準備をしても、装備不足の不安と、軽量化への努力はしたが、なかなか上手く軽量化できないまま、当日を迎えてしまった。
平成18年1月1日
11時15分頃LTKさんからの無線で近くまで来ている事を知り荷物を持ち道路に出る。荷物が重い。坂井さん、DAEさんの順に廻り11時40分過ぎHNCさん宅に到着、送り隊のOPLさんを待つこと数分OPLさん到着、2台に分乗し新発田を元旦昼頃出発する。上天気のなか、道路状況もよく順調に進み、14時25分藤巻の分岐着。川入集落まで除雪はされておらず、藤巻集落との分岐点で除雪は終了していた。各自準備をして分配した共同装備等を受け取り、15時00分藤巻集落との分岐を送り隊の見送りを受け出発する。僅かなトレースがあるので、トレース沿いに進むが、15分程度進んだ所でトレースは消えて道路左側の平らな場所に幕営した跡がある。ここから、各自スノーシュー・ワカンを装着する。藤巻の分岐から、川入集落まで6キロ前後ここで、疲れても仕方ないので交代しながら車道を脛から膝下位のラッセルで進む。天気は良いが、夕方になり薄く暗くなり17時00分車道脇の平らな場所を選び、テン場と決定し、幕営とする。不安と期待の寄せ鍋みたいな気持ちで各自隠し酒等を出して楽しいテント泊。明日は三国小屋までの長丁場なので、20時30分暖かいテントで就寝。
平成18年1月2日
4時30分起床。5時20分韓国風ラーメンと餅の朝食。身体が温まる。6時50分幕営地を出発する。天気は曇り空であるが、予報は下り坂。動き始めるとラッセルで直ぐに汗ばむ。川入の集落の入口に栃木ナンバーの車両が2台停めてあるが雪に覆われている。川入集落の方の物ではないだろう。無人の川入集落。何か奇異な印象を受ける。屋根の雪が多く建物に損傷がでるのではないかと心配をする。民宿街を通過しやがて沢沿いの登り道となり7時25分飯豊鉱泉を通過する。法面からブロック状に雪が落ちている。朝早いとは言え、上方には警戒が必要である。トップを短い間隔で交代しながら8時20分御沢のキャンプ場を通過する。8時43分御沢小屋跡(大杉)に到着。少し、雪が降り始める。カッターシャツを脱いで、アンダーウエアの上にアウタージャケットを着てこれからの登りに備える。雪が多い。ここから上部では水は摂れないので各自給水し、カロリーの補給。沢沿いに進むが、雪が深いので、少し杉林の中を進む。堰堤の左岸を登り更に沢伝いに進んでいる時、LTKさんが尾根上に何か見えると言う。よく見ると、確かに何か動いている様だ。人であればトレースを貰い、一気にペースを上げる事が期待できる。しかし、尾根を歩くのは人だけではないカモシカかも知れない。あまり過度な期待はできない。10時00分松ノ木尾根に取付く。取付き口がなかなか急で新雪もありスノーシューでは登り難い。CLがザックを降ろし空身でラッセルしていく。かなり長めのピッチを切りCLが下降してくる。10時15分栃木のパーティーとスライドどうやら、川入集落入口付近の駐車車両2台があったがそのパーティーのようだ。「30日入山で、昨日(元旦)は最高の天気だった。他のパーティーはいなかった」とのこと。天気だけは羨ましい。狭く急な尾根はスノーシューにあまり向かない。途中で、LTKさんがスノーシューを外し、ツボ足で登る。暫くして、石井さん、私もスノーシューを外す。12時30分90度カーブ。松ノ木尾根はここから、進行方向に対しほぼ90度北北東に振れる。少し薄日が射している。14時00分一服平最上部を通過。余りに埋まるので私も再びスノーシューを着用した。次第に疣岩山からの稜線が近づいて来る。飯豊に近づいてきたと実感させる風と雪。15時00分LTKさんが頑張り雪庇を崩し、疣岩山からの稜線に乗る。暫く進むと先ほどより小さい雪庇が再び現れるがこれもLTKさんが突き崩し、乗り越えた。僅かに進むと夏道の標柱の頭が出ていた。15時40分三国小屋到着。一瞬の晴れ間に剣ヶ峰の雪庇が見えた。また、七森方向の雪庇も一瞬その姿をボンヤリと見せるが、どちらも相当な悪相である。雪を摂り水を造り食事の準備をする。今日一日の長い登りに身体も疲れた。食事を終えると皆さん早々に休み、明日の登りに備えた。食事をしている頃から、少し雪が強く降ってきた。食事中、OPLさん宅へPJYさんが電話を入れたところ、明日後半から寒気が入るので充分注意する様にとの事。19:30就寝夜中から少し風がでてきた。しかし、今晩も寒さはなく暖かく眠った。
平成18年1月3日
4時30分起床。室内気温−5℃。寒くもなく良く眠れた。5時30分食事。なるべく早く出かけたいが、天気も悪くなかなか明るくならない。そうでもなくても気の抜けない部分が、種蒔山まで続いている。7時06分必要装備だけをザックに詰めて三国小屋出発。SLのHNCさんを先頭に急な下りにかかる。とにかく種蒔山に向かってダケカンバより上(東側)は雪庇上の可能性があるのでダケカンバを縫うように進む。時折、ガス・地吹雪が薄くなると薄っすらと七森の雪庇が見えそうになる。視界は風により異なる。7時40分P1(仮称)最初の確認ポイント。7時55分P2(仮称)2番目の確認ポイント。8時05分P3(仮称)3番目の確認ポイント。8時16分P4(仮称)4番目の確認ポイント。9時00分P5(仮称)種蒔山(夏道の位置)5番目の確認ポイント。気温−10℃。強い西風で目も開け難い。まつ毛ごと凍結してしまい、まつ毛が重い。雪と地吹雪で全く予備山行の時のイメージが湧かない。9時07分P6種蒔山(三角点)6番目の確認ポイント。風が強い。でも、太陽が地吹雪の上に薄っすら見える。多分、上空20〜30メートルが地吹雪でその上は視界がクリアーなのではないだろうか。相当に風が吹いてきた。まつ毛の先に氷が付着して見え難い。9時32分P7(仮称)7番目の確認ポイントは切合への下降点である。ここで、角度がグッと変わるポイントである。兎が驚いたのか雪面を走る。こんな厳しい環境によく順応するものだ。9時50分P8(仮称)切合小屋着8番目の確認ポイント。小屋の出入り口が氷結しているためか、なかなか開かない。ひょっとしたら鍵じゃないだろうな。と言う声もあがる。本当に、これが鍵だったら大変な事である。しかし何とか冬期出入り口より小屋内に入る。身体に風が直接当たらないだけで楽である。立ったまま行動食を摂る。テルモスに入れた紅茶が美味しくホッとさせてくれる。意外であったのは、ハイカロリーゼリーが凍結していないことである。ザック内の水筒の水は凍った。ビスケット類に比べると喉通りが良く、また水分補給が楽なので助かる。難点は、重い事だろうか。10時25分切合小屋発。当初ここからは、アイゼンでの歩きになると想像していた。しかしバフバフのパウダースノーである。依然としてスノーシュー・ワカンで進む。草履塚への登りで角度を確認して先行させて頂く、目標物のない白一色の中でコンパスの示す方位と自分のイメージに食い違いがある。どうしてもコンパスではなく、自分のイメージ寄りに方向を採ってしまう。後ろから「違う、もっと右」等指示を貰う。まして、一瞬あらぬ方向に雪庇が見えると、何故だ?現在地はどこだろうかと、瞬時に判らなくなる。先入観のせいでルートが急登になってしまった。このイメージと角度のズレは、翌日標高が下がり、ある程度視界が利く様になるまで続いていた。私の頭のコンパスは視覚に支配されている証拠である。10時43分P9(仮称)9番目の確認ポイント。11時35分草履塚着10番目の確認ポイント。強風である。ようやくたどり着いた、草履塚は、手元の寒暖計で−16℃位。風上に向かい目も開けたくない。SLが集合写真を撮るが、強風に巻き上げられる雪でカメラに向かえない。これ以上進み草履塚から下り、鞍部から登り返す付近からは大日岳方向からの風下から外れていくので、更なる強風になる。ここまで要した時間を勘案し引き返す事になり11時38分草履塚を発つ。風はいよいよ強くなる。さっきまで見えていた標識があっという間に地吹雪に隠れる。12時00分切合小屋着12時50分切合小屋発。種蒔山への登りでも標識が見つけ難い。種蒔山からの下降点でもどうしても東側へは近づきたくないという先入観だけが先走る。急斜面の降り口で坂井さんと私が先行するが、坂井さんが動いてその上数メートルで私がピッケルを雪面に刺すと、深さ40センチ〜50センチの雪の層に亀裂がスッと入る。雪崩の前兆である。坂井さんも私も進めない。元旦の好天でサンクラストしたところに、柔らかな新雪が積もり不連続面が形成されているものと想像する。我々2人は他のメンバーの位置まで戻る。SLがやや左から急斜面を避けるように廻りこみ斜面を降りた。七森の下降点でPJYさんを除いてスノーシュー組はスノーシューを外した。下降点のやや急な場所を通過した後、石井さん、LTKはスノーシューを再装着。私と坂井さんは朝、登る時、下りに気になる箇所があったため、そのままツボ足で下った。標高1,700mより少し下がると時々視界が利く様になる。強風と雪に追い立てられるようにして15時20分三国小屋着。私は、雪採りに行くが強風で難渋する。昨日までとは、空気が異なり寒い。ホッカイロをシャツとダウンのポケットに入れ、目だし帽を懐に入れ頭には凍りついた帽子を被り解凍し乾かしにかかる。帽子の予備はない。明日までにせめて被れる状態にする必要がある。小屋に入った後、風がどんどん強まる。食事には早いのでスープやコーヒーで水分と糖質を補給する。アウタージャケットも何とかしたいと思うが、強烈に凍りつき如何ともし難い。荷揚げ品を確認し、美味しいものから順に食べてしまおうとなる。本来、もっと今晩は気楽に過ごせるつもりだったが、残念ながら外の風の音が気が気でない。しかし、CLは食事も後回しで、登りでとったGPSポイントを正確に地図に落とし込み、角度を取る作業を黙々と続けていた。CLの責任感を感じさせると共に明日の厳しさを予感した。19時30分を少し過ぎる頃、天候に不安を感じながら就寝。明かりが消えた室内に時々ドシッという風がぶつかる音がした。この風は一晩中吹き続けた。この晩は寒かった。時々風の音で目が覚め、そのたび腕時計の気圧計を見ては、気圧の上昇が何時止まるのか見ていた。明朝行動できるだろうか。乗り越えた雪庇の下にある斜面の雪の安定性は大丈夫かと心配しながら風の音を聞いていた。この日、行動中とてもカメラを出せる余裕はなかった。
1月4日
4時30分起床。今朝は寒い。室内の気温は−10℃。シェラフを丸める。シェラフカバーの内側は凍りつきバリバリしていた。7時30分三国小屋を出発する。登山はだんだん荷物が軽くなるが、荷揚げしてある登山形態は下りも重い。視界は相変わらず悪いが、1月2日に登る時、残置標識がありおそらく、まだ降雪により埋没していないだろうと予想していた。しかし予想に反し、多くのの標識はギリギリ旗が見える程度であった。イメージより直ぐに上の小さい方の雪庇の下降点に着く。7時42分上の雪庇を通過する。思ったより雪面は安定している。それと、斜面の距離が短いことも安定に寄与しているのかもしれない。7時50分、下の大きい雪庇を下降する。1,370m付近で東側から尾根が合わさり少し分かり難い場所がある。一つ先の標識に近づくと、次の標識がボンヤリ見える。その繰り返しである。8時34分一服平の最上部まで下る。一服平付近は傾斜も緩み下降ペースが落ちる。ここでもスノーシューを付けても腿位までは潜る。9時30分一服平の最下部に来る。ここは、東側から尾根が2本明瞭ではないが西側から1本尾根が入り分かり難い。
9時50分90度カーブまで降りた。ここで上着をインナーとアウタージャケットだけにする。目だし帽も取る。ここまで来ればルート的には誤る心配はない。ここまで殆どの時間先頭でルート探査・ラッセルを担われたSLの体力と細かな確認作業に驚いた。また、前日1月3日の本山方向へ猛吹雪のなか、後方に位置し丁寧に角度と距離を測りながら標識を打ち、正確に標識を回収しながら修正指示をしていたCLの丁寧な登行・下降は、登山とは知的なものであることを感じさせた。10時18分942ピークこの位高度を下げると薄日も見え風も弱くなりホッとした。細く急な尾根を下る。新雪があるだけスノーシューのスピードコントロールがし易い。逆に新雪が無ければ、ツボ足で下山した方が安全だろう。10時55分松ノ木尾根取付き口に到着。往路とは異なり、河岸段丘にあがり堰堤を目安に進むが、堰堤を越え御沢小屋跡のより少し上流側の遊歩道にポンと出た。11時50分御沢小屋跡(大杉)12時05分キャンプ場を通過。キャンプ場を通過して程なくOIIさんの無線が聞こえる。川入の集落まで車が入るそうである。助かった。これで皆元気になった。ようやく川入に来てもその先藤巻の分岐まで6キロのアルバイトは疲れたこの身体というより心に厳しい。飯豊鉱泉近くになると、薪を焚いた煙の臭いを感じた。たった2日半人間の生活圏から離れただけなのに薪の煙の臭いに生活感と安心感を覚えたのは始めてであった。川入の民宿街に12時58分到着。迎え隊のOIIさんがカメラを携え、出迎えてくれた。集落内を過ぎて、13時05分川入集落の橋を渡ると同じく迎え隊のGZFさんが手を振っていた。山行の最後に担当でSLのHNCさんと各参加者が握手をして無事を喜んだ。また、石井さんの目には達成感が見て取れた。そして車の脇には、迎え隊のお二人が用意してくれた、何より嬉しい一缶があった。喉に感激の刺激を感じホッとした。OIIさんに集合写真を撮っていただき「飯豊の湯へ」向かい、汗を流しゆっくり風呂に浸かり、食堂で蕎麦を食べて新発田への帰途についた。そして、自宅まで送り届けて頂き全行程を終了した。
送り隊・迎え隊、家族、会社の人たち等、多くの方々のご協力により山行を無事に終えることができました。本当にありがとうございました。
最後になりましたが、山行中板長を務めたLTKさんありがとうございました。やはり、食事は楽しみでした。
個人的には、体力的に余裕が無く必要な読図もなかなか出来なかった。CL・SL・PJYさんが航海士ならば、私は甲板員の体験見習いみたいなものだろう。
次の大きな目標はまだ無いけれど、やれなければならない事が明確になった。早速この冬から取り組みたい。
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